駄々が昔から好きだった人々へ
1つ目の龍は、火山に住む龍です。
マントルの中にはマグマが対流しています。
(桜島です。)
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今週の「コナン」読んで、は~~~~~(海より深いため息)でした。とりあえず蘭ageはもう置いとくとして、園子…幾らなんでも、人が告白した・されたをクラス中に周知ってやっちゃいけないと思うよ…。
そしてもう一個疑問。普段はずっと欠席(休学?)してて修学旅行だけ参加って可能なの?学校側は何も言わないの?可能だとしても、いい顔はされないと思うんですけどねぇ。
蘭厳しめSSです。蘭ファンはバックプリーズ。
陽が高くなり始めた頃、空から落とされた荷物に蘭は飛びついた。
波や風など、自然の音しかしない寂しさから、つい長々とつけているせいでラジオの電池はすぐになくなってしまう。
週刊誌も一言一句まで覚えるほど読み込んでしまう。
そして何よりお腹がすいて仕方ない。
カロリー的にも、栄養的にも問題ない量が支給されているのだが、嗜好品が一切ないというのが思いの外辛い。
木の実や貝もあるにはあるが、それが食べても問題ないかどうかが、まず判断がつかない。
そして蘭はここにきて、初めて自分の料理のレパートリーが如何に偏っているかを思い知る事になった。
“仕方ないじゃない。家事だけしてればいい主婦とは違うんだから”
だが、ここでも蘭は「料理が出来る」と自慢していた事を恥じるどころか、専業主婦に八つ当たりをしていた。
荷物が来るのは、土曜日。
カレンダーも置いてはあるが、それだけでは曜日感覚、時間感覚が保てないので決まった曜日に来る。
尤も、台風などが来ればどうしてもずれる事になるが、まだ台風シーズンではないので、今のところその心配はない。
そうして取り出した週刊誌の表紙を見て、蘭はこれ以上無いほど目を見開いた。
「工藤新一、婚約」
目に飛び込んできたその文字を、茫然と呟く。
直後に紙が破れる勢いでページをめくり、その記事を読み始めた。
「工藤新一と肩を並べられる頭脳、行動力、判断力を兼ね備えたその女性は、アメリカで既に大学までスキップで卒業している才媛。モデル顔負けの美貌とスタイル。それでいて太り気味の養父の為に、和食を中心とした料理のレパートリーも豊富な家庭的な一面もあり…」
『あの女』をべた褒めしているその記事に、蘭はギリギリと奥歯を噛み締めた。
特に蘭を刺激したのは、料理のレパートリーが豊富という部分だった。
頭脳では敵わなくても、女性としての家庭的な面は自分の方が上な筈という根拠のない思い込みをしていた蘭にとって、これは地雷と言ってよかった。
「嘘よ!そんなに何でも出来て料理までなんてありえない。こんなのお祝い記事だから、持ち上げてるだけよ!」
勿論、週刊誌に載っている記事が全てではないし、載っているものが全て正しいという根拠もない。
だが、蘭のそれはそう言ったマスコミの取材・報道姿勢への苦言ではなく、ただ単に信じたくない故の志保への罵倒となっていった。
「新一の裏切り者。ううん、新一だけじゃないわ。園子も世良ちゃんも、お父さんやお母さんだって…皆私を見捨てて裏切った。許さない、許さないんだから…!」
流石に「処分された」と言われた目暮班の名前は出てこなかったが、それでも蘭の心は反省や後悔ではなく、怒りと恨み、憎悪で満たされていた。
今まで甘やかされ、恵まれていた分、そこから引きはがされた事実だけが膨れ上がっている状態だ。
「ううん、新一は頭いいんだから、きっとすぐに気付くわ。今はあの女の表面に騙されてるだけよ。ずっと私一筋で他の女に免疫がなかったんだから、仕方ないわよね。気付いたら、きっと私がここから出られるように頑張ってくれるわ。だって、新一だもん」
一人で怒ったり笑ったりと、百面相をしている蘭の独り言は増えていた。
仕方ない事だとも言えるが、心の声が駄々洩れになっている分、監視員の評価は悪化の一途を辿っていた。
自分に都合の悪い、認められない新一からの絶縁宣言は既に忘却の彼方になっている。
今も尚、いや、恐らくは一生、蘭にとっての心の支えは新一であり続けるのだろう。
だがそれは実在の「工藤新一」ではなく、蘭の脳内にのみ存在する「幻の工藤新一」でしかない。
そうして今日も蘭は妄想する。
自分と彼の幸せな未来を。
誰にも何にも邪魔されない、幸せしかない世界を。
とりあえず元気でやっている模様。
明日からお盆期間中は更新止まるかも~~。