ジレンマ 出かけるときは忘れずに

ジレンマ
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誰も知らない夜のジレンマ

胃カメラで感染事故を受けてしまった私。

ピロリや激しい下痢を伴う感染性の胃腸炎はなんとか解決したものの、最初のHIV検査が早すぎた可能性があるために再検査することに・・・

処置してくれた大学病院から、最新の設備を誇るエイズ治療を行っている血液内科を備えた日赤病院(去年出来たばかりの大病院)へ紹介して貰ったため、出向くことになりました。

受付をすると「ああ、昨日○○大学病院から緊急で予約があった○○さんですね?」

「はい。」

「本日はHIVの検査完了まで専任のエスコートを行いますからそこでお待ちください。感染が確認されてもすぐに対策と治療が開始できますし、心のケアも行いますから大丈夫です。」

「エスコート?」

エイズに関しては血液内科という聞き慣れない科があるんですね。そこで検査や治療(発病の遅延処置や延命を行う)らしいのです。

この病院ではHIVへの感染者が動揺しないように「エスコート」がつくのだそうだ・・・知らなかった。

まず別室に通される。

待たされること僅か10分、専任の感染症担当の看護師さんが来た。

まず、先に経緯の確認から・・・。

「異性間交渉ですか?同性間交渉ですか?」

※この問診は個人的な趣味や性癖を問うものではなく、家族間、または感染経路を解析して感染ルートを調べ、陽性だった場合しかるべき検査の推奨などを促すのだそうです。

「あの・・・もう50歳越えましたし、この数十年そんな事ありません。胃カメラで感染貰っちゃったんで・・・。」

「よく有ることです・・・どこの病院ですか?」

「○病院です。」

「ああ、大きな病院ですね。」

「急ぎでしたし院長が知り合いだったんで・・・胃カメラの感染事故って有るんですね。」

「はい。残念ながら結構あります。医療関係者としてはそのような事が無い様に気をつけるべきですが、どうしても1~3%程度の検査で何らかの感染はあります。」

「なかなかゆく先々の病院で否定されてしまって・・・受けてもらえませんでしたし。」

「病院で感染事故は扱いたくないですから仕方がありません・・・大変でしたね。」

「本日中に結果が出ます。それに感染が確認されても感染から早めの対応ですので延命は期待できると思いますよ。ですので安心して下さい。」

早速血液検査の開始。

各種肝炎検査なども同時に行ないました。

待つこと4時間

エスコートしてもらえた看護師さんは他の患者のケアも有るため、何度か席を外したものの私の動揺が無いかどうか何度も途中で確認してくれました・・・親切な!

そして診察室へ呼び出され、検査結果が伝えられました。

結果はすべて陰性。

「各種肝炎もHIVもありません。良かったですね・・・以前の検査はどのくらいで受けましたか?」

「感染の可能性があってから7週です。」

「○○大学病院ですね?」

「はい。」

「あの大学病院のHIV検査グレードはステージ4です・・・8週かかりません。4週以下でも確実です。」

「はあ?ステージ4 ?」

普通、ステージと言えはガンの進行レベルを言うのですが、検査体制の確度もステージって呼ぶ場合が有るんですね。

つまり、こういうことである。

エイズ検査には検査体制にステージグレードがあり、1から4まで確度が大きく異なるらしいのです。

保健所などで行っている検査はグレードが低く、検査結果は信頼性に問題が有るらしい。(正しい表現なのか判りませんが気休め程度)

だから大学病院や大きな日赤などでは高級なシステムで即座に結果が出るらしい。

エイズは菌が体に入ってからHIV抗体が作られる・・・しかし、HIV抗体は薄く、また進行速度が非常に遅いのは皆様御存知の通りです。

有名な病院では高度な検査設備で高感度であるため、普通では8週(でもギリギリ)なエイズ検査でも短い潜伏期間でも確実に出るのだそうです・・・知りませんでした。

エイズって検査にグレードが有るんですね。

皆様もエイズ検査されるときは大学病院行きましょう・・・精度(確度)が違います!

ですので保健所の検査は無料ですが・・・

精度は値段なり・・・なのです。

タダほど高いものは無いですよ・・・

最近では安い値段で通販の家庭用検査キットとか販売されていますね。

早い話が気休めです。

HIVの感染を確認するための装置は数百万円、数千万円するんです。

通販で数千円の格安KIT買ってもいい加減な結果しか出ないでしょう。まあ、それでいい人はそれでいいんでしょうが・・・

多分、格安で高精度とかウソ言ってるんでしょうね。多分中国製でしょう。

間違った結果が出ても誰も責任とってくれません。所詮通販ですし。

保健所で無料の検査で確度の低い結果を聞くなら、お金を払ってきちんとした結果を出すべきです。10000円で命が買えれば安いと思うのです。

今回日赤の担当さんは「あなたは正しい行為をしました。」と言い切ってくれました。

でも二度目の任意検査だったため、保健は利きません。

この検査で9000円以上かかりましたが大きな安心と結果が出ました。

看護師からいろいろ話も聞けました。

海外の病院検査などではエイズ、肝炎の感染は非常に多いそうです。

特に胃カメラの感染事故は相当多く、私の様に消毒を忘れた胃カメラで、前検査したの患者の持っていた各種感染症(ヘリコバクター、肝炎、各種伝染病、感染性胃腸炎、エイズ、がん細胞組織など)次の患者が貰っちゃうんですね。< /p>

エイズの感染・・・発病から死亡までは時間的猶予が相当ありますが、がん細胞とかは短期間で体に広がります。恐ろしいことです。

内視鏡学会でもそのリスクについて正しいHPを出しています。

安易に胃カメラを受けると命を落とす危険も有るのです。

もちろん「そのような事例」はあってはならないし、そうならないように関係者は指導されています。でも外国では医療感染はほぼ普通に起こっているので海外での検査は十分に気をつけるべきでしょう。

喉の出来物で胃カメラを受け、大変な感染症を受けてしまって最終確認が終わるまで10万円を越える費用と半年以上の時間を費やしました。

胃カメラって必用なのかな?

とかその後考えました。

病院の説明では

「感染はありえない・・・消毒は完璧!」と皆医師は胸を張ります。

でも現場の先生からは「じつは結構有るんだよ。オフレコでお願いね。」

そして事故ってからは医療を受けられないというジレンマが襲います。

戦うのは自分です。場合によっては世間を敵に回すことを覚悟しなければなりません。

医療事故の戦いって孤独です。事故だったという確証が無い限り裁判でも勝てません。

勝てても健康や命は戻りません。治療費もです。

ですので胃カメラ、危険なだけですね。

知人の医療関係者、身内の看護師関係者に聞いてみました。

胃カメラって本当に必用なの?

事故るとアブナイだけだよね・・・。

関係者はこう言います。

現在の日本の医療は早期発見の名のもとに過剰検査が行われているんだよ。

ある意味、病院の収入は過剰検査で成り立っているのだから・・・

胃カメラに限定しなくてもCTやMRIとか、日本では簡単にすぐ検査だよね・・・

海外では簡単に検査はしないよ。

だって重い病気なら検査したって治らないし・・・何とも無いなら検査の意味ないし・・・

現在の過剰検査は・・・

「やっぱりなんでもなかった」

という安心を買うための医療だから、むやみに検査はしないに限るね・・・でもそう言っちゃうと医療が成り立たなくなるから・・・

そう言うのです。

検査にリスクはつきものです。

私も何度かCTを受けましたが、一回のCTにおける発がん性は健常者の500倍以上だそうです。

ドイツとか北欧の国々ではCTそのものは死ぬ人用という噂もあります。

怖いですね。

私を笑えジレンマ

読者からの質問をいただきました。「日本は過当競争だから働いても報われなかったり過剰品質になったりするのだと思います。問題は、日本経済がなぜ過当競争体質なのか、ということです。」以下は、それに対する私の返答です。

一因は、高度成長期にあると思います。当時は経済が急成長していましたので、無理をしてでも早い段階でマーケット・シェアを押さえることが長期的には莫大な利益をもたらしたわけです。そこで、赤字覚悟でも注文を取りに行く企業が多かったわけです。その名残りで、今でも過当競争を繰り広げている業界が多い、ということなのでしょう。

過当競争には、良い面もありました。当時は、安売り競争により需要が拡大して経済成長が加速したわけです。戦後の外貨不足の時代に、日本の輸出企業が値下げ競争で輸出市場を奪いあったことで、「輸出企業は儲からなかったけれども日本経済としては外貨が稼げた」ことなども重要だったのでしょう。

しかし、銀行員の預金集めのための顧客訪問などは、何のメリットももたらしませんでした。日本の預金者の預金量はあらかじめ決まっており、全銀行が顧客訪問をしても、全銀行が顧客訪問をやめても、全銀行の預金量は変わらなかったからです。預金集め以外にも、同様のことは各業界、各業務で起きていたはずです。

では、高度成長が終了して、過当競争が合理的でなくなったのに、どうして過当競争が続いているのでしょうか?その一因は、過当競争は誰か一人が行なうと、業界の全員が巻き込まれるからです。

「お互いに安売りをすると両方が損をする。お互いにやめれば両方が儲かる。しかし、相手が安売りをしている時に自分が安売りをしないと、客を失って大損する。したがって、相手が安売りをしている時には自分も安売りをせざるを得ない。」というわけです。業界内の全企業が一斉に安売りをやめれば良いのですが、なかなか難しい、ということでしょうね。経済学では、「ゲームの理論」の「囚人のジレンマ」という話が、安売り競争をうまく説明しています。興味がある方は、勉強してみて下さい。ちなみに、関連する拙稿のURLはhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/7274?page=3 です。

値引き合戦を離れて、過剰品質合戦では、別の要素も働いていると思われます。恥の文化と日本的経営です。鉄道会社が「ライバル社より遅延が多いのは恥ずかしい」と考えて、無理をしてでも時刻表通りの運航を実現してしまう、といった事がありそうです。加えて、終身雇用、会社は家族といった日本的経営が、会社への帰属意識と忠誠心を高めるため、「他社には負けられない」というライバル意識が一層の過剰品質を作り上げてしまう、というわけです。
今回は以上です。

追記
読者の方々からコメントを頂戴しました。自営業や「会社は家族」のビジネスは、撤退や戦線縮小(首切りにつながる)が難しいので、衰退産業でも皆が頑張ってしまい、過当競争になってしまう、というものです。
高度成長期からゼロ成長期になっても過当競争が止まらないのは、こうした原因もあるのでしょうね。

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