物欲センサーは保護されている
ここは空飛ぶ集会所として名高い「ハンターズギルド集会酒場」。
妖艶な雰囲気を漂わせつつも気さくで陽気な女マスターと、そのがっしりとした見た目に反し紳士的な振る舞いと美しく繊細なカクテルを作り上げるその腕前で女性ハンターから密やかな人気を集めるバーテン---かつて腕利きとしてその名を轟かせたふたりの元狩人が切り盛りするどこにでも現れる不思議で楽しい酒場には、きょうもたくさんの狩人たちが集まっています。
「---あら、何、それ?」
ある日のこと、集会酒場の女マスターは酒場の片隅に置かれた大きな観葉植物のようなものに気付いて声を上げました。太くまっすぐな緑の幹にたくさんの枝と葉のついたその植物には、たくさんの紙でできた飾りと、何かの書かれた細長いカードのようなものがぶら下がっています。
なにかしら、とそれを興味深げに眺めるマスターに向かって、バーテンがグラスを磨きながら応えます。
「龍識船護衛のハンター殿が置いていったそうですよ。---太刀発祥の国の、初夏の風物詩だそうです」
「へえ」
「そのカード…短冊というそうなのですが、それに願い事を書いてその笹という植物に飾り、それをお焚き上げ---焼くことで神にその願いが届くように祈るということらしいですよ」
「ふうん…そんなのがあるんだ。世界って広いわねえ」
興味深げに頷きながら、マスターは笹に近づきました。遠目から見ると色とりどりの短冊が飾られた笹はいかにも華やかで、彼女の心をうきうきと躍らせます。
「いいじゃないの、いろんな色の短冊…だっけ?この酒場は色味が茶色だらけだから、こういう華やかなのは大歓迎。あとでちゃーんとあのコにお礼を言っておかないと」
「ふふ…そうですね。今度、なにかサービスして差し上げないと」
そうだね、そうしよう、と言いながらマスターは笹に近づいて、ふと短冊に書かれた願い事に目を落としました。
「物欲退散」
「天鱗ください(天殻も)」
「ハチミツください」
「物欲センサーがなくなりますように」
「憧れの○○さんからギルドカードをもらえますように」
「……欲望のビッグツリーだね。大半が"天鱗ください"ってどういうことなのかしらねえ」
「それこそ神のみぞ知る、というところでしょうか」
「ふふ」
呆れ返りながらも女マスターは優しい顔で短冊一枚一枚に目を通していきます。その姿を見ながら、ふとバーテンはかつての相棒に声をかけました。
「マスターは、叶うならばどのような願いを短冊に書きますか」
「私かい?---そうだねえ…今までの私だったら「鏖魔討伐」だっただろうけど、あのコやこの船のみんながその願いをかなえてくれたからね…」
しばし逡巡したのち、彼女はぽつりと言いました。
「今は、この船のみんなが無事に狩りから笑顔で戻ってくるのが一番の願い。 …おかしいかい?」
「いえ、マスターらしい願いだと思います」
「あんたは何時もその言葉ばかりだね」
「…現役時代、そういう貴女に憧れた人はたくさんいるのですよ」
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星に願いをその1。
その1ということはその2もあるということですね(フラグ)
物欲センサーを通販サイトで検索、頑張った自分へのご褒美にもいいのではないでしょうか
どうも、ナツキです。
ここの所雨続きのこちら側、8月ってこんなに雨降ったっけ? って、ちょっと疑問に思ってたりしますw
なんかもうちょっと暑くて、日差しが下りてた気がするんだけどね。
6月に戻ったかのように涼しい&雨・雨・雨 w
まぁ、雨は嫌いじゃないんだけどね。
豪雨じゃなければ←
そんな最近~
PSO2っ