観劇 すこやかを、進めよう。

なぜ観劇は生き残ることが出来たか

本日の花組公演にて、貸切公演の司会のお仕事を復帰させていただきました

ご観劇くださいました皆さま、ありがとうございましたm(__)m

みりお(明日海りおさん)とゆきちゃん(仙名彩世さん)の新トップコンビにうっとり…
キキちゃん(芹香斗亜さん)、れいちゃん(柚香光さん)をはじめとした花男の皆さんのカッコ良さにドキドキ…
やっぱり宝塚って最高だー
抽選会をお手伝いいただいたほみちゃん(理央ひかるさん)は何と今日がお誕生日でした
めでたいっっ
これからまた司会のお仕事も頑張ります
ふと見上げたら宝塚劇場の隣のビル…

もう完成なのかな??

とにかくすごい高さでびっくりしました

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宙組『神々の土地』2日目も観劇しました。

文学的で美しい……世界観も、出演者も、美しい作品です。

凍てついたロシアを感じ、冷んやりした空気を感じます。

空調のせいではなく。

私の気のせいでなければ、早くも一部、朝夏さんの台詞の言い方に変化を感じました。

上田久美子先生のダメ出しが、早くも発動したのでしょうか?

朝夏さん演じるドミトリーは、聡明で快活な青年です。

同時に、本音と建前を使い分ける大人の男性でもあります。

それでいて、「本音と建前の使い分け」に徹し切れない、若さ・青さもある。

「大人になる」とは、「周囲の空気を読み、バランスを取る事」だと思っていました。

…ですが、年齢に関係なく「己の希望・願望・欲望」など……「ほんとうの気持ち」に耳を傾ける事も大切ですね。

それが何であれ、「これが私の本心だ」と自覚し、決して無碍にしないこと。

周りに合わせられる面は合わせながら、無為に流されない自分を確立すること。

大切ですね…。

中途半端な気持ちや状態は、いたずらに人を傷つける危険性を孕んでいるんだな……と、改めて感じました。

(私は優柔不断で、決断する事が苦手なので、自分で書いてて胸が痛いです…)

矛盾するようですが、本音を隠し通すこともアリだと思います。

嘘も貫き通せば、真実になるでしょう。

ひとりの人間の中に、矛盾する気持ちや思考がある事は、むしろ自然だろうと思います。

自分のことが、一番わからなかったりしますしね。

己自身と向き合うことが、一番こわかったりしますし。

ドミトリーは優しい青年です。

優しいから、適切ではない感情は抑える。

その時・その場に最適と思える「感情」や「表情」を差し出す。

それが出来る、強い精神力も備えている。

それでも、激流のような「生の感情」が、ふとした瞬間に見え隠れする。

その、感情のうねりを、台詞の抑揚を変える事で表現していました。

初日は淡々と言ってた箇所なので、もしかして上田久美子先生チェックが入ったのかな…と。

あるいは、朝夏さんなりに考えて、そうされたのか。

『金色の砂漠』(花組 2016年11月?2017年2月)も最初の週から、どんどん変化していきました。

それこそ千秋楽まで、大なり小なり変化し続けたように思います。

『神々の土地』も、そうなるかもしれません。

上田久美子ワールドは、大人の恋が描かれます。

大人の恋は、時として少年少女のそれより、秘められ、解りづらい事が多い。

制約やしがらみも増え、素直に気持ちを表せず、関係性を進める事もできない。

『星逢一夜』『金色の砂漠』とも、少年少女時代は「身分の相違」が彼らの間に横たわるしがらみでした。

それが大人になると、婚姻して配偶者や子がいたり、組織の一員としての責任があったり。

制約はさらに厳しくなります。

大人の恋は、貫くより、諦める方が……言葉は悪いけれど……簡単な事も多いかもしれません。

ここから先は、ネタバレも含むため、知りたくない方は読まれませんよう。

ドミトリーとイリナ(伶美うらら)は独身同士。

イリナは未亡人ですが、再婚は出来たでしょう、相手によっては。

ドイツから嫁いだ外国人とはいえ、イリナは皇族の一員。

ドミトリーも皇族ですが、イリナとの関係は叔母と甥。

血縁はなく、姻族ですが。

それでも、スキャンダルと受け取られそうです。

イリナは、ドミトリーを守る為に…彼の名誉や評判、立場などを守る為に、彼の愛を受け容れなかったのでしょう。

彼女の不幸は、聡明なことですね。

イリナは、ロマノフ家の一員として人生を全うしました。

夫と死別したイリナにとって、亡命は「故郷へ帰国」するだけの事ともいえます。

それなのに、ロシアにいる事…というか、ロマノフの一族でいる事に固執したのは、何故でしょう。

イリナはロマノフの一員でいる事で、ドミトリーと繋がりを持ち続けたかったのかな…。

イリナとの別れに際し、ドミノリーは彼女を「イレーネ」と呼び掛けます。

伶美 「私はイリナよ」

朝夏 「ずっとイレーネと呼んでみたかったんだ」

イリナは輿入れ前、ドイツで「イレーネ」と呼ばれていました。

「あなたが、イレーネと呼ばれていた頃に会いたかった」

それは、「あなたが結婚する前に出会いたかった」という意味。

…ですが、イリナがロマノフ家へ嫁いできたからこそ、出会えた二人でもあるんですよね。

エピローグ……最後の場はおそらく、ドミトリーの幻想でしょう。

彼と関わった人々が、次から次へと現れ、去っていきます。

普通の宝塚作品なら、最後にイリナが残り、2人きりになり、抱きしめ合う…で終わるだろうなぁ…と思います。

確かにそうなんです。

最後に残るのは、イリナでした。

見つめ合い、立ちすくむ二人。

やがて、ゆっくり一歩を踏み出し……かけて、幕が下り切ってしまいます。

2人が惹かれあっている、求めあっている事は、見つめ合うだけで伝わります。

伝わるからこそ、削ぎ落とした演出でした。

ここは、もしかしたら、東京では変わるかもしれません。

どちらの方がいいのかな。

今のままの方が、ドミトリーとイリナらしいとも言えます。

観てる方は、「…あぁっ、そこで幕?!もう少し先まで見せて…!」と思いますが。

余韻を残すとしたら、今のままがいいのかな。

でも、もう少し、もう少し、その先を…歩み寄った二人を見せて下さい、上田先生…!

大人の恋ほど、慎重というか……臆病になるのかもしれません。

その不器用さが、純粋で…愛おしいのかもしれませんね。

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