王様 あたらしい ふつうをつくる。
釜山から戻り、
福岡をバスで移動中に、
福岡市内のバス停に何箇所も貼ってあるポスターが目に入りました。
エジプト・カイロ博物館の収蔵品が、福岡に来てるの?!
えっ、今日、何時まで開いてるの?
でも博物館閉まるの17:30とかで早いからアウトかな…と思いきや。
バスの車内で急いで検索したら、
な・ん・と、
トワイライトミュージアム実施期間
7月22日?8月27日のうちの金・土・日ならびに8月14日、15日の
午後5時30分から午後7時30分まで
は団体料金で入場できます。ただし会場での販売分のみ。
ということを発見!
これはもはや、私に来いと言っているようなものです。
もう、韓国からそのままエジプトです 笑
慶州国立博物館で、
紀元前?西暦700年代の遺物にいろいろ考えさせられてきましたが、
今度は一気に、紀元前2000年代の遺物へ。
4500年前なのに、こんなに美しい、精巧なものが作れたのはなぜ???
そして小学校時代、
エジプトについていろいろ本を読んでいた頃の知識から、
少し発展することができました
・ミイラの作り方の詳細とか
・黄金マスクの作り方とか
ただ、案外大幅なアップデートはなく、
子ども向けに書かれていたエジプトに関する考古学漫画のクオリティ、
高かったんだなぁと思い返していました。
( 著たかしよいち の愛読者でした)
博物館の展示は、
私にとっては良い文章に出会うきっかけが多い場所でもあります。
なので、展示物の間の「説明板」の前で、
ノートに文章を書き写すこともよくあります。
ざーっと展示物を一通り見て回り、
出口までたどり着いたら出口から出ずに逆戻りし、
もう一度最初から、
今度は気になった文章をノートに書き写しながら2周目。
古代エジプトの神話によると、
最初は神々によって国土が支配され、次に半神、そして死者の精霊、最後に人間によって支配されたという。
この人間の支配者がファラオである。
その重要な役割は、宇宙の秩序、真理、摂理などと解釈される古代エジプト語「マアト」を維持することであった。
神の化身あるいは代理として
人間世界を支配し異民族から民衆を守り、
神に供物を捧げて崇拝を続け、
秩序を維持することが、
ファラオの重要な役割だったのである。
ファラオの役割は時代とともに変化するものの
「マアト」を実現、維持することが、ファラオの重要な役割だったのである。
へ?!
私が想像していたファラオって「王様」のイメージだったけど、
かなり司祭者の役割が強かったんですね。
やっぱり古代のリーダーは、
「天の理」を担う司祭者といいますか、
人間と自然の仲介者だったんでしょうね。
あと、
ピラミッドの稜線は、太陽の光線を具現化したもの
というフレーズも好きでした
ちなみに先日の、
アートな女子会のときに、
発掘、考古学に憧れた小学生時代の話も出たんですよね
そこで、
るみちゃんと私が、
「エジプトといえば、吉村作治先生だよー!
吉村先生に憧れて、エジプトの考古学者になりたいって思ったんだよー!」
という話題で盛り上がりまして
ある意味、
吉村作治先生は、
私たちの年代のおじさまアイドルなのかもしれません。
そしたら…
なんと、今回のエジプト展の監修に、
吉村先生のお名前がありました
展示の一番始めに、吉村先生のお言葉のパネルもありました
前もってトークショーのタイミング知ってたら、絶対応募してたなぁ
小学生以来の憧れのおじさまですもの
紀元前2000年代の遺物をみてつくづく不思議に思います。
エジプトの高度な技術、
死後の世界の捉え方、
「マアト」の考えにしろ、社会事業の考え方にしろ…
紀元前2000年前に、
もう現代に通用する考え方がありながら、
なぜ紀元前2000年前と現代で、
人間の内面はほとんど進化していないんだろう??
これだけのエジプト文明も衰退し、三歩進んで◯歩下がった状態で。
紀元前6世紀のギリシャ哲学の深さも、
ローマ帝国の介入で衰退し、すっかり忘れられ、
紀元前450年の仏教も形を変え、
過去に進み深さを得た思想や概念も、
現代でその深さや発展を超えているかと言われれば多いに疑問です。
テクノロジーが発達した分、
一見人類は「進化」したように見えるけど、
ホモ・サピエンスという「種」「生命体」としてみたときに、
生物としての能力はあまり進化してないんじゃないかと改めて感じてしまいました。
とくに、感情、思考をコントロールする能力はおそらく4500年前とそう変わらない。
人間って、「種」としてみたときには、
発展し、進んだようにみえても、そのあとに揺り戻しがきて、
結果的にその場に留まり続けているんじゃないだろうか。
という一見あまり明るくないことを考えつつも、
こういう内容を考え
るのが私の好きなことであり、
韓国の旅の影響も、
エジプト展示ですっかりエネルギー充電となり、
元気で嬉々として会場を出たのでした。
トワイライトタイムで、外は真っ暗。
福岡タワーが、夏の金魚のライトアップでした
本当に思いがけず、
絶妙なタイミングで、
大好きなものの展示に行けて、本当に嬉しいひとときでした